発行2011年 6月 1日 文責：染野 恭満
３月１１日午後２時４６分から日本国内外の状況はガラッと変わってしまいました。
今まで、何事もない今日が何事もない明日へと何となく繋がっていくと、ボンヤリ思っていたことが実はそうでないと目の前につきつけられたのです。
半分眠っていたかのような日本人もさすがに目を覚ましたようです。
世界の中でも特に目立つ存在ではなかった日本に世界中が注目し、支援の輪が広がりました。
私の所にも中国の友人から、生活が困難な状況なら中国に避難して来い。住むところは何とかするというメールが届きました。実にありがたいことですが、昨日まで外国へ支援する側だったのに、一転して援助される側になってしまったのですから、戸惑ってしまいました。
また、震災直後の津波被災者の紀律と抑制の利いた行動は、流石は日本、民度が高いと世界から賞賛を頂きましたが、その後の東電と政府の情報隠しと責任転嫁、放射能汚染水垂れ流しで世界の日本を見る目は一気に厳しくなってしまいました。
折角三陸沿岸を始めとする被災者の皆さんが、体を張って踏ん張ってくれているのに何ということでしょう。残念なことです。
さて、実は震災がなければ３月下旬訪中する予定だったのですが、あの状況下では困難と判断しキャンセル致しました。と言うわけで、今回もインターネット経由で知り得た中国の情報をお伝えする事になってしまった事をお許し頂きたいと存じます。
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もしかしたら中国人の感覚の方が正しくて、我々日本人は原発がメルトダウンしたと言われてもさほど驚かないように、徐々に慣らされて、東電にコントトロールされているのではないかと思いながらこの記事を書いています。
さて今回ご紹介するのは、東電の福島原発が水素爆発した直後の、中国国内でのパニックに関してです。中国では３月１６日から１８日にかけて、放射線被曝を避けるためにはヨードが効果があり、それは食塩に多く含まれているというデマが飛び交い、１ｋｇ１７円程度であった価格は２００円近くまで１０倍に値上がりしました。それでも買いたいと言う市民が数百メートルに亘り行列するという状況になり、買占めも発生して１７日の販売量は、通常一日の販売量の２４倍の３５万トンに達しました。１６日には浙江省で、放射能被曝を恐れた男性が食塩を摂りすぎて死亡するという事故まで起こり、地元メディアは、日本以外で最初に亡くなった地震被害者と報道しました。
中国政府は、中国の放射能汚染状況は健康に問題にならない程度で、食塩に含まれている程度のヨードでは、いずれ予防にならないと火消しに努めたので沈静化しましたが、中国人が見せた放射能被曝に対する恐怖反応は、こちらがビックリする位のものでした。
ご意見・ご質問等ございましたら下記までお寄せいただければ幸いです。
なお、今回の瓦版から文責の所在が変わりました。書き手は同じですが、法人名が NPO法人黄土高原環境・緑化計画から一般社団法人になりました。この社団法人は NPO法人が以前取り扱っていた「ドライフルーツナツメ」の輸入販売を行うために設立された団体です。
NPO法人が国内向け活動に向けて舵を切り、これから中国に行く機会が少なくなってしまったため、ナツメ輸入の関係で今後とも中国に行く機会のある社団法人からの寄稿として継続していくことになりました。どうぞよろしくお願い致します。
事務局 茨城県水戸市栄町２丁目３－２８ E mail： sig-y.s@mx2.ttcn.ne.jp
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（了）